千葉 正広

晩秋から初冬にかけての穏やかで暖かい日のことを小春日和というそうです。
そんな小春日和の今日、今年もカレンダーを1枚残すのみとなり、過ぎ行く時の速さを感じています。
師走を迎え、あらためて今年の出来事を 振り返りました。
今年も公私ともにいろいろありましたが、私にとって今年もまた記憶に残る1年となりました。

新年早々1月~3月まで腰の手術で磐梯山が眺望できる病院に入院しました。
術後直ぐに理学療法士指導のもとリハビリに励み、その甲斐があってか順調に回復し4月中旬に職場に復帰することができました。
6月に入りキッチン、浴室のリフォームを計画し工事業者と協議を進めていくうちに
リビングも玄関もとあれもこれもと「新築そっくりさん」リフォームとなってしまいました。
秋の彼岸から始まった家のリフォーム工事も12月中旬までには引き渡しの予定です。
また、8月から9月にかけては母の7回忌法要の準備をし、10月に秋晴れの中親族一同が会し、
お寺で住職様の読経、墓参のあと会場を移しての「お斎」では参列者から母の思い出話、
エピソードなども披露されにぎやかなことが好きだった母を偲ぶ法要を執り行うことが出来ました。

12/3(木)に楢葉町にあるJAEA(日本原子力研究開発機構)の研究開発センター、モックアップ試験施設に行ってきました。
東京電力福島第一原発の廃炉研究拠点などを福島県浜通り地方に集積する国や県などの
「イノベーション・コースト構想」の拠点の一つです。
「世界の英知を結集する拠点」ということで10月の開所式には安倍首相も出席しました。
第1原発2号機の建屋内を3次元映像で再現する機器が設置され、私たちも3Dメガネをかけ、
まるで1Fの建屋内にいるような臨場感を味わってきました。
廃炉作業に関して、
①研究開発センターで計画を立て、
②モックアップ施設で試験・実験をし、
③現場で実作業を行うとしています。
現場で問題があれば①に戻し、①~③のサイクルを繰り返すということです。
バーチャルリアリティを用いた作業者訓練でP→D→C→Aのサイクルです。
施設の中では、設備の完成に向けて懸命に働く人たち、復興に向けて真剣に研究開発に取り組んでいる多くの人たちがいました。
ただ一方で、この拠点整備が原発事故で大きな痛手を負った地域経済再生の原動力になるか、地元住民の雇用創出につながるか、
地域住民の帰還に繋がるかは、私にはわかりません。
また、あの大震災から4年8か月、5年近く経とうとしているのに、今だにこの状態であることを見ると、
廃炉に向けて、今やっと動き出したかというのが率直な感想です。

12/12(土)は5S活動の後、当社の忘年会です。
「今年も悪戦苦闘したけど、何とか次につながる仕事が出来た。来年はさらに飛躍できる年にしたいね」とお互い労をねぎらい、
来年に夢を語れる乾杯をしたいと思っています。
会社にあっては、プリント基板本業の他、ロボット研究会、放射能性廃棄物処理技術研究会などの活動を通じ、
外部の多くの人とお付き合いが始まりました。

今年の最大の収穫は入院期間中、余りある時間の中で60有余年の人生を振り返り、
また、今後の生き方を考えることも出来ました。これほど落ち着いて考える時間がいかに大切かと思ったくらいでした。
そして家族、友人、会社の上司・仲間、入院先の病院関係者に励まされ支えられ、
順調に回復できたことで感謝の心が益々大きくなったことなどです。
今では通常の業務、各種研究会活動などこなし、スポーツ大会のトレーニングを出来るようになりました。
いいこと悪いこと色々ありましたが、私にとっては感謝の心でしっかり締めたいと思います。
さて12月に入り1週間が過ぎました。
年末に向かい忘年会やら年賀状の作成やらと公私共に忙しく、何かと気ぜわしくなります。
皆様くれぐれも体調を崩されませぬようご自愛ください。そして良い年をお迎え下さい。

2015-12