◆ 2006年12月   年の瀬

矢浪 裕志

 結婚をして25周年いわゆる銀婚式になりました。結婚記念日、これだけは毎年毎年必ず実行しております。式はしなかったのですが、旅行に行ってきました。11月30日から12月3日まで。新聞の広告を見るたびに、いつか行こうと思っていた『美しき八重山・宮古諸島9島をめぐり』ツアー、うたい文句は離島の旅ゆったり時が流れる南国の楽園、石垣島、西表 (いりおもて) 島、由布島、竹富島、宮古島、池間島、伊良部島、下地島以上9島。この中で石垣島と竹富島は子供たちが小さかった頃行きました。冬なのに暖かったことと、やはり青い海が思い出されます。今回のツアーは娘の行っている会社の主催なので、『社員割引は無いのか』と聞きました。『割引は無いけど部屋と夕食のグレードアップをしてくれるはずよ』と言われていました。1日目の“ホテル日航八重山”では、『銀婚式記念に来ております』と言ったら、ワインのボトルと記念品をプレゼントしてくれました。2、3日目は“ホテルブリーズベイマリーナ”宮古島にあり親会社はコーヒーセットを会社に置くユニマットグループです。ここは旅行会社から指令が入っているようで、ワインのボトルサービス、部屋にはコサージュとお菓子の詰め合せ。そして、極め付きは部屋のグレードアップ。なんとスイートルーム、ベットはキングサイズ(セミダブルかダブルを2つ並べた大きさ)トイレが2ヵ所、入口を入って1つ、バスルームにも1つそれにシャワーもありました。このグレードアップには感激しました。41名の中で得したような気分は良いものです。みみっちかったかな、でも外のスイートも余っていたようです。肝心の旅行は天気には恵まれませんでしたし、予報気温の25度もなく20度前後。曇り後雨状態、時々大風、八重山は降雨量が元々多く、風が強いのも普通の事、その普通の中の旅行だったので、特に恵まれない訳ではない様です。北から南まで日本列島は長い、北は利尻島から南は西表島まで行った事になります。南は波照間島、北は択捉島まで何時の日にか行けます様に。

 楢葉町の白鳥の飛来地によりました。県道35号から直ぐのところにありました。家族ずれが多く、それぞれ手にえさのパンやらパンの耳やら、米を持ってきておりました。広野町の西の溜池は10羽もいませんでした。

 『結論で読む人生論』勢古浩爾著を読んでいたら気になる文章に出会いました。
結婚して子供を生み、そして、子供に背かれ、老いてくたばって死ぬ、そういう生活者をもしも想定できるならば、そういう生活の仕方をして生涯を終える者が、いちばん価値ある存在なんだ。
吉本隆明『自己とはなにか』『敗北の構造』弓立社

 私はこの文章を見たとき、ピエトロ・ジェルミ監督のイタリア映画『鉄道員』が頭に浮かびました。監督自ら親父さんの役をこなし、そんな感じが見る側から演じる側に立ったようです。シルバコシナの清純で華麗な雰囲気の娘が私生児を生み、初めはわが道を行った息子(名前は分らない)が父と同じ鉄道員になると死に際に言ってくれる。そんなストーリーだったと思います。

 『名もなく貧しく美しく』昔松山善三の映画のタイトルにありました。このように生きればいいのだ。