矢浪 裕志

 10月19日、横浜の武相中学・高校の校舎で宅地建物主任者試験がありました。数十年振りの試験に重圧を感じながら受験しました。多少、かすかに希望を持っていましたが、無残に打ち破られました。先日川異研の海外視察に行ってきましたが、ここでも時間があるときは試験勉強したのですが・・・

 川崎異業種研究会の海外視察としてタイに行ってきました。今回戒厳令が敷かれているので、どうなのかと思いましたが、見るところ平穏に推移しているようでした。失業率がコンマ台と云いながら、街には物乞い(殆ど小さな子ずれでした)がいるし。観光地には押売りの土産売りが何人か付いてきます。夕食時の移動はかの有名な渋滞に見舞われました。日本国内と同じようにトヨタの車が多くホンダ、マツダなど、ほとんど日本製です。但し軽自動車はみませんでした。現地のガイドさんが自慢げに、何度もアジアで植民地にならなかった国はタイと日本だけです。しかも立憲君主国で国王や天皇がいます。あちこちに王族の写真が飾ってあります。日本の比ではありません。戦争当事者だった日本の戦争の被害は半端なくあったはずですが、その被害もほとんどなかったタイが、発展途上なのはなんでなのだろう、と疑問に思いました。

 我々中小企業の経営者にとってこのところの景気は、率直に言っても芳しくありません。老舗の同業に倒産のニュースが流れたり、事業を再構築したりするところも出ております。そんな時『大前研一ニュースの視点』でタイムリーなメールが入りました。抜粋します。

 “内閣府が発表した8月の景気動向指数(2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が108.5と、前月に比べて1.4ポイント下がりました。景気の基調判断は「足踏み」から4カ月ぶりに下方修正し、景気後退の可能性を示唆する「下方への局面変化」とし、増税に天候不順が重なり、景気は2月から8月まで短期の「ミニ後退」になったとの見方が市場関係者に出ています。これまで散々と、4月から6月期は下がっていても、7月~8月には挽回すると述べていたエコノミストがいますが、現実はこの通りです。「足踏み」から「下方への局面変化」などというのも、単なる役人言葉で全く意味が無いと私は感じます。天候不順の影響はあると思いますが、それよりも「心理的な」側面のほうが重要です。国民が身構えて、消費心理が冷え込んだというのが一番大きな要因です。アベノミクスと騒がれていましたが「結局、自分の生活がどのように具体的に良くなるのか実感できない」という人がほとんどでしょう。おそらく今後の数ヶ月で、「アベノミクスは失敗だった」と言われる時期が来るはずです。東京オリンピックまでは首相を続けると表明していますが、安倍首相にとっては大きな逆風が吹き荒れることになります。アベノミクスの最大の問題は、3本目の矢である「成長戦略」が全く機能していないことです。私に言わせれば、「形容詞」が多すぎて、何ら具体性がありません。「女性が輝ける」「若者が行きたくなる」などと耳障りのいい言葉を並べても、ただそれだけで景気は回復しないのです。ついに、アベノミクスのメッキが剥げかけてきているのを感じます。”

 31日朝日新聞の1面を飾った見出し、“日銀が追加緩和”金融政策決定会合で年間にこれまでより10から20兆増やして80兆円にする。その結果市場は即反応し、円安、株高になりました。これで心置きなく雑音を排して消費税を上げることができる。そんな魂胆がみえます。

 3日を迎えて67歳になりました。からだに変調をきたし、腰や背中など痛いところが続出しています。これからは痛みと付き合いながらになりそうです。