千葉 正広
全国的に気温もあがりすっかり春を感じさせる日があるかと思えば「春に3日の晴れなし」という天気のことわざにあるように、
北海道は大雪、会津地方も大雪とニュースが流れてきても、ここいわき市、福島県浜通り地方では、
紅白の梅が満開を迎えすっかり春の到来を感じさせてくれます。
この時期20数年来のお付き合いとなった花粉アレルギーのため、目の痒み、鼻水、くしゃみには悩まされるも、
春の香りはなんとも心地良い。
あの日から5年が経過、6年目の春を迎えようとしている。
いわき市の自宅から会社までの通勤時間は震災前で50分、今は60分~70分を要する。
とにかく朝夕の通勤ラッシュ時間帯は混んでいる。
第一原発では廃炉に向けて汚染水対策も含めると毎日約7,000人が作業している。
そこに除染作業に携わる人を合わせると相当な人数になる。
殆どがいわき方面から通勤しているので混むのは当たり前である。
3.11の5年経過を前に連日、東日本大震災の記事と、あとはアメリカ大統領選のニュースが流れている。
現在の町の状況はどうか
当社は広野工業団地にあり、震災後4ヶ月間の休業を余儀なくされ、その後工業団地の仲間と復興の先頭集団に立ち、
今に至っていることを誇りとしている。
が広野町では公式で約半数の町民が戻っているに過ぎない。
全体の人数では震災前より多いが、それは外から来た作業員の数だという。
隣の楢葉町では約6%が帰町しているに過ぎない。
今朝のテレビで楢葉町の住民がインタビューに応じていることが写されていた。
「5年が経過してやっと一歩進んだ感じ」というものであった。
今朝の新聞では福島原発事故で避難住民の共同調査結果で「帰れない」と答えた人が38%という記事が載っていた。
そんな中、3/5に広野町役場前に公共商業施設「ひろのてらす」が開設され、実に多くの人で賑わいました。
延べ床面積1,125㎡の平屋で「日本一小さいイオン」だそうだが、
オープン式典で遠藤智広野町長は「住民のふるさとへの帰還の願いをかなえる大きな希望となる」と、
避難を続けている住民の帰還促進への期待を語りました。
町に大きな灯りがついたようではあるが、住民の帰還を妨げる除染と健康に関する
さらなる情報の開示・広報、除染廃棄物の住居付近からの移設など、まだまだ帰還促進に向けての課題は山積しているが
とりわけ医療関係が充実されれば、もっと住民の帰還が促進されるのではないかと思う。
2月は本当に足が速く、逃げるように過ぎていった。
まず、いわきロボット研究会では開発した「がんばっぺ1号改良版」の完成に向けて最後の追い込み作業に追われた。
この技術をこれからプリント電子研究所にどのように導入していくか、またどのように社員を有効に活用していくか検討を進めたい。
次に放射性廃棄物処理技術研究会では放射能セシウムの分離・回収技術を応用した資源リサイクルの事業化の計画を進めた。
いわき市にも水熱技術利用の環境全資源リサイクル提案をした。
3月にはその方向性を更に具現化したいと思う。
震災5年を経て、当社もプリント基板製造会社の強みを活かし、新しい技術を開発し、
ロボット研究会の仲間である会川鉄工(株)、鈴木電機(株)、(株)フォワードと介護用ロボット、災害対応ロボットを共同開発して、
廃炉への協力をしていきたいと思っている。
3/21には春の彼岸を迎える。「暑さ寒さも彼岸まで」といいますので、彼岸が過ぎたら大分暖かくなるでしょう。
そして3/13には大相撲 春場所が始まる。
琴奬菊の綱とりに期待し、当方もそれに負けじと奮闘していきたい。