矢浪 裕志
もちろんいつかは財政再建が必要だ。でもそれをやるのは、景気が十分に回復してからであるべきだ。やっと景気がよろよろと立ち上がってきたいま、増税の重荷を背負わせると元の木阿弥になりかねない。クルーグマンはこの点を強く主張してくれる。恐らく、いまの日本においてもっとも重要なのはこの点だ。消費税の安易な引き上げは、いまや理論的な裏づけもない。今それをやるべき強い理由がまったくない一方で、見送るべき理由は十分ある。おそらくインフレ目標の導入に続き、消費増税を見送れるかどうかが、日本の真の景気回復を左右する次の大きな試金石となるだろう。2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンが“そして日本経済が世界の希望になる”で書いています。皆さまはどう考えますか。10%の消費税後でも復活した日本経済が見えるでしょうか。
川崎異業種研究会の“県外視察”で富山県の氷見市と高岡市に行ってきました。川崎商工会議所と氷見商工会議所は姉妹提携しており、毎年1月頃氷見商工会議所から送られてくる寒ブリを肴にして懇親会を開催しています。残念ながらご相伴に預ったことはありませんが、付合いは深いようです。氷見商工会議所での“氷見山海珍味協同組合”との情報交換会は翌日の富山新聞にも記事になりました。ぶどうを植えワイナリーとしてワインを製造している“セイズファーム”は小高い丘にあり、市内を一望できる眺めの良いところにありました。観光地化した道の駅氷見番屋街で一日目の見学は終わりました。高岡は加賀藩二代藩主前田利長公が高岡城を築いてから高岡漆器、高岡銅器など産業振興に励んできました。特に大型の梵鐘、灯篭、仏具などは世界にも知られていて、パリ万博にも出品され、大好評を博したそうです。それらの工房を見学しました。
尖閣列島や竹島問題で日本の国土を守ると政府をはじめマスコミも機会を捉えて発言しています。先日テレビだったかラジオだったかで福島第一発電所の周り20キロ圏内少なくとも、10キロ圏内は立ち入り禁止、使用不能、国土消滅したのと同じ状態になっています。日本の国土を守ると言っている議員の皆さま、右よりにいる国士の方々今国土の一部が半永久的に使用不能即ち奪われています。関係者の方々はこれをどう考えているのでしょうか。
我々は、いつの時代になっても天災としての自然災害を絶対的に回避することはできない。だが人災としての原子力に基づく“文明災害”を回避する事はできる、また必ずやできなければならない、つまり、3・11は、“原子力時代”がいまや終焉を迎えつつあると告げ知らせているからである。言うなれば、二重経験を通じて確信のようなものが得られることになったからである。こうした“確信”とは、どんな根拠から且つ又何処に由来しているのだろうか。それは“存在論的差違”を根拠にしつつ考えれば、いかなる文明もあくまでも“存在の心理”に基礎付けられている限り、その真理を喪失すれば必ずや衰退するであろうことを、我々は“存在”を回想しながら既に知ったからである。かくして、“原子力時代” の終焉、これこそが“存在の歴史”からして歴史的運命であると洞察されなければならない。池田善昭著“原子力時代の終焉”―東日本大震災に臨んでーでより大変気になりましたので転載しました。
また一つ年を重ねました。