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当社7月に入り、58期を迎えました。先日は経営指針発表が有り、新たに58期の方向性の共有と目標達成への決意表明をしてきました。前57期は全体として売上は10%程上昇しました。57期の最初の4半期で大きく出遅れてしまいましたが、徐々に売上が増えていき、若干の増での着地となりました。ただし、利益については前々期より改善が図られており、売上は小さいものの利益金額という点においてはこれまでよりも良くなってきております。コロナからこれまでも受注の件数は減少していっており、試作開発もコロナ前に比べてみると少なくなっています。そのため、標準的な基板製作においてはどこでもできるという点で企業の価値が薄まってきており、コスト勝負という点ではこれまでと変わっておりません。そのために当社としては難しいもの手間のかかるもので受注を受け、付加価値を高めた製品製作の方向性へと舵を切っています。今回の経営指針では新たに工場長が誕生し、新体制となったので、新たなことに挑戦していきたいと考えています。

さて、国内では今月参院選が開催されます。2025年7月の参議院選挙は、日本の行く先を大きく左右する分岐点となるものと考えています。とりわけ、私たちのような地域に根差した製造業にとって、政治の決断と方向性は、日々の経営と密接に関わっています。今回の選挙では、物価高と賃金の問題が大きな焦点となっていますが、当社のような製造業の中ではエネルギーコストや原材料価格の高騰、人件費の上昇といった課題に直面しています。企業として人を守り、品質を守り、競争力を保ちながら利益を確保することを求められています。製造業は、社会インフラを支える土台であり、日本の信頼と技術の象徴です。省力化やデジタル化、再エネ活用など、時代に即した変化を取り込みつつも、「人の手でつくる価値」は決して失われません。当社もそうですが、未だに中小企業の経営者の方との話の中で、仕事が少ないという声を耳にしますので、まだまだ中小企業を取り巻く環境は厳しいものと感じます。これからも、私たちは地域とともに歩みながら、次の世代に希望をつなげる製造業を目指し、誠実に、着実に前進してまいりたいと思います。

矢浪 興造